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BLACK SUMMIT GG8開発秘話!
インタビュー掲載

特許出願中! 変幻自在なBLACK SUMMIT GG8がテンマクから発売!
開発秘話インタビュー「アウトドア愛好家必見!BLACK SUMMIT GG8テントがテンマクから発売決定!」が、株式会社 主婦と生活社の運営するcazualに公開されました。

アウトドアギミックが詰まった特許出願中のテントBLACK SUMMIT GG8がテンマクからついに発売!

開発秘話を発売前にインタビュー!

発売前から注目を集めているtent-Mark DESIGNS(テンマク)から登場するBLACK SUMMIT GG8(ブラックサミット ジージーエイト)ですが、謎となっていたJACOB LOGGEVEENの秘密が前話で明らかになりました。

今回は製品そのものについて深掘りインタビューを決行。

ギミックだけでなく哲学も詰まったBLACK SUMMIT GG8の開発秘話をお届けします!

なお、以下がテンマクからアナウンスされているBLACK SUMMIT GG8の特長的なポイントです。

ポイント1 様々なバリエーションで設営が可能。
ポイント2 コットが横に2台、縦にすれば4台、合計で8台入れることができる広さがあります。
ポイント3 着脱式ペグ用ループの取り付け位置を変えることで、裾の高さ調節が可能。
ポイント4 結露の流れを考慮した生地パターンを採用。横に縫製ラインを入れない事で結露が途中で落ちにくい。

BLACK SUMMIT GG8プロダクトサイト
https://www.tent-mark.com/black_summit_gg8/

シンプルな構造なのにギミックが!

CAZUAL
前回のお話では、BLACK SUMMIT GG8は2017年に開発したモデルとのことですが、発売まで時間がかかったのは当初よりだいぶ変更があったということですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
変わって、また戻ったというのが正しい言い方かもしれません。

そのまわり道がなかったら、2018年くらいには発売されてたのかも(笑)。

 

CAZUAL
時間の無駄でしたか?

 

JACOB LOGGEVEEN
そう感じますか?

でも実際には、そんなことはないですね。

2019年に開発したテントのアイデアを、部分的に採用したりもできましたから。

 

CAZUAL
それが特許の部分ですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
それとは違います。

特許出願中の部分は、BLACK SUMMIT GG8開発時点で最初から盛り込まれていたシステムです。

でも特許申請をしようなんて、開発時は考えてもいませんでした。

どのテントにも採用されていない新しいシステムだとは思って開発したのですが、サンプル製作を続けるうちに長年キャンプギアの製造を手がけ海外とのやりとりも頻繁な関係者から「世界的にも例を見ないすごい機能だから、絶対に特許取得した方がいい」と勧められた、というのが現状です。

タープ状に広げた際、大きなベンチレーターは補強パーツとしての役割を担う。

CAZUAL
実際に、どの部分が特許アイデアなんですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
特許出願しているのは1ヶ所ではなく複数ヶ所あるので、どの部分がどうと簡単には説明できません。

 

CAZUAL
あんなにシンプルな構造なのに、いろんなギミックが詰め込まれてますもんね。

 

JACOB LOGGEVEEN

使うたびに、「なるほど!」と理解するところが見えてくると思いますよ。

子供とかは「なんで、こうなってんの?」って、前に使っていたテントとの違いを気づくのが早いかも。

それに対して「デザインじゃないかなあ?」とか、モノを理解できずちゃんと答えられない親がいたりして・・・。

デザインがいいとか、カッコいいとかで簡単に解釈しちゃうと、もっと深いところにある本質を探求しなくなっちゃいますもんね。

まあ、なにより、きちんと使っていただいて、いろいろ発見してくれると嬉しいですね。

「なんで?」と思った子供たちが、その不思議だなと感じた感覚と答えを導き出そうとする探究心を忘れずに育って、将来すごいアウトドアマンなってくれたらもっと嬉しい。

 

CAZUAL
新しいところがある一方で、MSR パビリオンやNEMO ヘキサライトに似ているとも言われているようですが・・・。

 

JACOB LOGGEVEEN
パビリオンやヘキサライトも所有していますし、どちらにも100泊以上しているから良いところ悪いところをしっかり把握しています。

積極的にマネしている箇所はありませんが、改善すべきだろうと思った点はアイデアをひねり出しているので、パビリオンやヘキサライトがなかったらBLACK SUMMIT GG8は誕生しなかったかもしれません。

ツインポールを結ぶ尾根にすら横方向の縫製ラインが存在しない。

CAZUAL
具体的な改善点って、どんなところですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
全部を語ると何文字あっても足りなくなりますが1つだけ具体策を示すとするなら、横方向の縫製ラインがないことです。

真横とはいわない斜め横の縫製ラインでも勾配が緩やかになるので、結露が貯まるんです。

結果として、その縫製ラインから雫が落ちる。

雫が落ちた位置に顔があったら、それこそ拷問みたいで寝ていられなくなります。

位置がずれてて肌に直接当たらなかったので気づかなかったけれど、寝袋や荷物が濡れてたなんて経験をした方も数多くいらっしゃるんじゃないでしょうか。

通常のツインポールシェルターって2つのポールを結ぶ尾根に縫製ラインがあるのですが、BLACK SUMMIT GG8はそういった当然と思われていた縫製デザインも見直しているんです。

 

CAZUAL
テントを作るだけじゃなく、買って使い倒しているからのアイデアなんですね!

 

JACOB LOGGEVEEN
パビリオンは発売当初から気になっていたテントシェルターでした。

以前、数人で2泊3日のシーカヤック旅に出たとき、シーカヤックガイドを生業にしている友人がベース基地としてパビリオンを持ってきたんです。

寝るときはそれぞれ1人用テントを使ってましたが、朝晩の食事や潮待ちのときにパビリオンに集まってミーティングを重ねて。

撤収も早いですし、大型シェルターなのに収納サイズは小さいからシーカヤックに余裕で詰め込める。

そして移動し、再び上陸して個々が荷物を解いてテントを立てているあいだに、ベース基地のパビリオンは一瞬で立ち上がっている。

さすがに信頼おけるプロのガイドが選ぶ道具だと感心し、僕もパビリオンを手に入れました。

 

CAZUAL
では、いまでも使ってますか?

 

JACOB LOGGEVEEN
BLACK SUMMIT GG8を開発してからは、パビリオンとヘキサライトのどちらも使っていません。

 

CAZUAL
それだけBLACK SUMMIT GG8の完成度は高いということですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
BLACK SUMMIT GG8を使った方に、そう思っていただければ幸いですね。

あれば便利なのに、これだけ長いデイジーチェーンを手に入れようとしても、市販品はなかなか見つからない。BLACK SUMMIT GG8には付属品としてラインナップしている。

CAZUAL
BLACK SUMMIT GG8のネーミングはどういった意味ですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
見たまんま、黒い山頂という1つめの意味と、2つめは首脳会談を意味します。

気のあった仲間が悪巧みをするのは、いつも暗闇ですよね(笑)。

続きはG8のGroup of 8(グループ オブ エイト)に由来したGreat Group of 8です。

SUMMIT G8に出席する人たちより、もうちょっとグレートな面々がBLACK SUMMIT GG8には集うという意味。

それとジジイが8人集っても、相手の加齢臭が届かない余裕のある距離感というのも一説にあります。

BLACK SUMMIT GG8は大型のコットを8台入れても余裕があるんです。

CAZUAL
別売りとなっているポール、JOHN AND POLEのネーミングはどういった意味ですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
ジョイント式のポールではないというのを簡潔に表現しているつもりです。

でもビートルズのジョン アンド ポールとも違う。

ポール マッカートニーのスペルはPAULです。

そんな、どちらとも違う、ちょっとひねくれたネーミングなんです。

僕がそもそもひねくれ者ですから。

上:JOHN AND POLE 250
下:JOHN AND POLE 180

CAZUAL
というと、どんなところがですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
本来ポールは、ジョイント式の方が軽くできるし、安価にもなる。

でも多少金額が張っても、理想的なモノの方が絶対にいい。

ジョイント式にしなかったのは、コンパクトにしたかったからです。

軽さよりも容積を重視しました。

アウトドアでは軽さは正義なんて言われてたりしますが、それは絶対ではない。

4本継ぎ250cmのアルミ製ジョイントポールは1000g前後ですので、JOHN AND POLE 250より100gくらい軽いのが現状です。

トレッキングならマイナス100gって大きなポイントですが、JOHN AND POLE 250はそもそもトレッキングには使われない。

シーンによって正義は異なるんです。

JOHN AND POLEの使用シーンはシーカヤックガイドなども想定しました。

カヤックに積める容量は限られている。

4本継ぎのアルミ製ジョイントポールが2本、計8本分の容積を占めてしまう。

僕なら2本分の容積しかない取らない JOHN AND POLE 250を選ぶ。

2本で200g重量が増えたとしても、数日間の旅をするカヤック総重量からすれば微々たるものと考えるからです。

これはあくまでも、BLACK SUMMIT GG8をカヤック旅のベース基地として使うシーン想定ですけどね。

カヤック旅に限らず、さまざまな地でベース基地として使う場合も同じ考え。

オートキャンプやバイクツーリングキャンプも同じですね。

クルマやバイクのところまで運ぶのに、200g軽いことにどれだけの意味があるのか。

それよりかさばる荷物をタイトにしたい。

家での収納時も、コンパクトな方がいいですよね。

でも軽さは正義というのがアウトドアの常識。

僕はひねくれ者ですから、そういう常識みたいなことに「はいそうですね」とは言えない性格なんです(笑)。

JOHN AND POLEはBLACK SUMMIT GG8の収納バッグに収まるよう設計されている。

CAZUAL
ところでBLACK SUMMIT GG8の開発コンセプトって、どんなことだったんですか?

 

JACOB LOGGEVEEN
「風通しが悪い、見通しが利かない、変化に対応できない」この3つからは縁遠くしようというのがコンセプトといえば、コンセプトかもしれません。

「風通しが悪い、見通しが利かない、変化に対応できない」って、なんかブラック企業あるあるみたいでしょう。

 

CAZUAL
確かにそうですね(笑)。だったら、縁遠い方がいいってなりますよね。

 

JACOB LOGGEVEEN
その通りです。

ツインポールシェルターって、いろいろな張り方ができて変化に対応できますよね。

BLACK SUMMIT GG8はまず、ツインポールシェルターで作り上げるというところからのスタートでした。

さらに最小のパーツで空間を可変できるというのも変化に対応するための解決策の1つです。

でもツインポールシェルターで空間を広げようとすると、多くの場合はポールを外側に立て、さらにガイラインでポールより外側へ引っ張ることになる。

確かに空間は広がるけれど、そうなると占有している空間も広くなる。

暗くなってからそのガイラインが見えにくくてジャマにもなる。

だから内側からのポールで張り出しを作ることにしたんです。

その結果、ガイラインも必要なくなりポールだけで完結できる。

ポールの設置位置は壁際だから、内側にあってもジャマにならないんです。

ガイラインなしで居住空間を広げられるのも特長の1つ。

 

製品の根底にある哲学

CAZUAL
残るは風通しが悪い、見通しが利かないってとこですね。

 

JACOB LOGGEVEEN
具体的にいうと、スカートが中心的な問題。

冷気に対する策がスカートという短絡的な解決方法が、個人的にどうしても好きになれない。

もちろんスカートが似合うモデルもあるんですけどね。

ある程度のアウトドアスキルを持つようになってからのテント購入は、スカートのあるなしを深く考えるようになると思うんです。

晩秋から初春にかけて空気の冷たい季節は、テントの下から冷気が吹き込んでくる。

その解決策がスカートだったりするのですが、一方でスカートがあると風通しが悪いので暑い日は耐えがたいキャンプとなってしまいます。

解決方法が短絡的だからこういった結果が生まれるんです。

ワンポールシェルターやツインポールシェルターって、幕体を広げてタープのようにアレンジ設営したりもするんですが、スカートがあると暖簾がかかっているみたいでデザイン面も許しがたいし、視界をジャマして見通しが利かなくなるのもNG。

スカートがなくても冷気が吹き込んでくるのを抑えることができれば、これらは解決できますよね。

そこでペグループを脱着式にして位置を可変、さらにポールの高さを可変することで裾部分をスカート同様に使えるようにしたんです。

ポールの高さを変えるといっても可変量は上下10センチ程度。

そもそも天井高は234センチもあるから、10センチ低くなっても動線的な問題は感じません。

一方で冷気の吹き込みを止めるために低くすると容積は確実に小さくなっているから、空間が温まりやすいです。

CAZUAL
ほかにもまだ知られていない部分ってありますか?

 

JACOB LOGGEVEEN
WILD-1のサイトを見ればいろいろわかるとは思いますが、やっぱり実際に使わないと製品の根底にある哲学みたいなものはわからないと思います。

単純に使いやすさみたいな部分でまだ知られていないっていうのは、付属する収納バッグだと思います。

開発した自分で言うのもなんですが、よく考えられてると思います。

これまでに数々のテントを使ってきましたが、雨の日に撤収する際、「ああ、なんてしまいにくい収納バッグなんだ!」と、どれも思ったほどです。

あくまでオマケとして付属しているという考え方なんでしょうね。

唯一秀逸だと思ったのがパビリオンの収納バッグ。

「これを考えた人は天才だな」と最初は思ったほどです。

でも使っていくうちに改良点が見えてきて、開発当初のBLACK SUMMIT GG8にはその改良型バッグを作り、収納していました。

しかし市販されるBLACK SUMMIT GG8にはまったく別のアイデアで生まれた、もっと使いやすい収納バッグが付属されています。

これは2020年に開発したテントの収納バッグアイデアを採用したんです。

収納しやすく、ワンショルダーで運びやすく、ストラップベルトを締めると体に密着し重量以上に軽く感じる。
また両手が空くので、他の荷物も同時に運べる。

CAZUAL
では2021年発売というのは、やはり時間の無駄ではなかったということですね。

 

JACOB LOGGEVEEN
遠回り、寄り道ほど魅惑的なものはないと思いますね。

 

CAZUAL
いろいろお話を伺うと、BLACK SUMMIT GG8の発売がますます楽しみになりました!

貴重な情報をありがとうございました!

 

製品スペック

BLACK SUMMIT GG8
特許出願中
素材 ポリエステルオックス210D(表面撥水加工)
カラー ロイヤルブラック
耐水圧 1,500mm
収納サイズ 約580×220×220(高)mm
組み立てサイズ 約4,680×4,680×2,340(高)mm
総重量 約8.47kg(デイジーチェーン/ペグ/張り綱/収納ケース含む)
付属品 張綱×8、張綱用カラビナパーツ×8、ペグ×18、着脱式ペグ用ループ×18、デイジーチェーン×1、収納ケース×3
価格 49,800円(税抜き)

 

 

JOHN AND POLE 180
構成 4節:約130~180cm(5cm刻みで調節可)
収納サイズ 約Φ29mm×61.5cm(キャップ付き)
重量 約550g
材質 アルミ合金
価格 4,200円(税抜き)

JOHN AND POLE 180

JOHN AND POLE 250
構成 6節:約170~250cm(5cm刻みで調節可)
収納サイズ 約Φ41mm×64.5cm(キャップ付き)
重量 約1120g
材質 アルミ合金
価格 7,800円(税抜き)

JOHN AND POLE 250

BLACK SUMMIT GG8プロダクトサイト

人気テントは売り切れて買えない可能性もあるtent-Mark DESIGNS

発売前のアナウンスをプロダクトサイトで要チェック!

https://www.tent-mark.com/black_summit_gg8/

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お問い合わせ先

株式会社カンセキ WILD-1事業部

電話 028-651-0570(平日9:00~18:00)

メール support@wild1.co.jp

テンマク公式サイト https://www.tent-mark.com